目次
スプレンダーXとは
スプレンダーXは、医療脱毛減毛機において20年以上の歴史がある、Lumenis Be(ルミナス社)の最新機種の脱毛機です。
4つのテクノロジーを備えた唯一の薬事承認機です。(2022年6月時点)
以下、仕様詳細です。
splendor X仕様 | |
一般的名称 |
アレキサンドライトレーザー(ネオジミウム・ヤグレーザー)
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販売店 |
SPLENDOR Xレーザーシステム
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承認番号 |
30400BZX00021000
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波長 | 755nm/1064nm |
スポットサイズ |
スクエア10,14,18,20,24,27mm
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ヘルツ | 最大3Hz |
最大エネルギー | 55J/80J |
電気的定格 |
200-230VAC・25A・50/60Hz
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本体寸法 |
W47*D110*H104cm
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本体重量 | 180kg |
以下4つのテクノロジーをご紹介します。
BLEND X
BLEND Xとは、1回の照射で2波長を連続して照射する技術です。
アレキサンドライト(755nm)とNd:YAG(1064nm)を連続照射できる日本国内初の承認医療用減毛機で、全てのスキンタイプ・毛質に対応した効率が良い施術を提供します。
効果
メラニンへの吸光度が高いアレキサンドライトと、深達度が高いNd:YAGを連続照射し、効率よくターゲットへ熱エネルギーを届けます。
波長 | アレキサンドライト | Nd:YAGヤグ |
ターゲット層 | 浅層〜中層を加熱 | より深部に熱が到達する |
効果的な毛 | 産毛・軟毛・中程度の毛 | 濃い毛・太い毛・剛毛 |
カスタマイズ
アレキサンドライトとヤグの割合をスキンタイプ・毛質に応じて設定することができます。
モードは以下の3つがあります。
①アレキサンドライト+ヤグ
②アレキサンドライト単体
③ヤグ単体
①のアレキサンドライト+ヤグの混合モードでは、アレキとヤグのそれぞれで
✔️出力
✔️パルス幅
を設定することが出来ます。
出力はパルス幅、ヘルツ次第で出せる最大値が変化します。
パルス幅はアレキが最小4、ヤグが最小8という結果でした。ルミナス社のパルス幅推奨値は20msecです。
以下、各設定での最大出力を表で記載しました。
照射径mm | 照射面積cm2 | パルス幅 | ヘルツ | アレキサンドライト | ヤグ | 合計j/cm2 | アレキ最大J | ヤグ最大J | 合計最大J | |
最大出力 | 27 | 7.29 | 20(両方) | 2 | 7.5 | 9.5 | 17 | 54.675 | 69.255 | 123.93 |
最大出力 | 27 | 7.29 | 20(両方) | 1 | 7.5 | 10.5 | 18 | 54.675 | 76.545 | 131.22 |
アレキ単発 | 20 | 4 | 20(両方) | 1 | 13 | 0 | 13 | 52 | 0 | 52 |
ヤグ単発 | 20 | 4 | 20(両方) | 1 | 0 | 20 | 20 | 0 | 80 | 80 |
パワフル
アレキサンドライトとヤグ、それぞれ独立したエンジンを搭載しているため、大口径のスポットサイズを用いた際も十分なフルエンスで照射することが出来ます。
世界初27mmスクエアスポット
大口径スクエアスポットにより、安全でスピーディかつ効率的な施術が可能です。
スピード
全身脱毛(顔・VIO除く)目安時間は18分です。
※シミュレーション条件は以下です。
2200ショット(男性平均体表面積の照射に要するショット数)
27mmスクエアスポット使用
2Hz照射
照射時間のみで算出
27mmの円形ラウンドスポットの面積は572mm、26mmの円形ラウンドスポットの面積は531nmなので、以下の表のようになります。27mmスクエアは26mmラウンドの1.37倍の面積になります。
照射面積cm2 | 27mmとの比較 | |
26mmラウンド | 5.3066 | 1.373760977 |
27mmラウンド | 5.72 | 1.274475524 |
27mmスクエア | 7.29 | 1 |
正確性
オーバーラップによる熱傷と打ち漏れのリスクが軽減され、安全でスピーディーかつ効率的に照射することが可能です。
効果
レーザーの深達性は口径が大きいほど光子の相互作用の割合が増えエネルギーが増幅するため、効果的に深い層までの加熱が出来ます。低フルエンスでの照射でも効果が期待できます。
デュアルクーリングシステム
2種類のクーリング機能で施術時の痛みと熱傷のリスクを軽減し、快適な治療を実現します。
cryo6冷却装置
冷風により、皮膚を常に冷却して施術をすることができます。
強さは10段階あり、5での冷却が推奨されていますが、6,7へとレベルを上げることにより痛みを更に軽減をすることが出来ます。
cryo6冷却装置仕様
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電気的定格 |
100-120VAC・11A・50/60Hz
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本体寸法 |
W39*D68*H64.5cm
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本体重量 | 77kg |
コンタクトクーリング
ハンドピースに金属がついており、それが冷風で冷やされて冷たくなっています。
それを皮膚に接しながら移動させることで冷却効果を出します。
吸煙装置搭載ハンドピース
照射と同時に吸煙し、施術時の不快な臭いを軽減します。
レーザー照射時は潜在的な健康被害を起こす可能性がある高濃度の超微粒子を発生させます。
吸煙装置搭載ハンドピースの使用時の方が超微粒子の濃度が低いことが確認されました。
ジェントルマックスプロプラスとスプレンダーXの比較
<熱破壊式> | ジェントルマックスプロプラス |
スプレンダーX
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発売元 | アメリカ/キャンデラ社 |
アメリカ/ルミナス社
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日本薬事承認 | あり | あり |
熱破壊/蓄熱 | 熱破壊式 | 熱破壊式 |
波長 | アレキサンドライトレーザー755nm/YAGレーザー1064nm |
アレキサンドライトレーザー755nm/YAGレーザー1064nm
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切り替え/同時 | 2波長切り替え | 2波長 |
照射方法 | 非接触 | 非接触 |
パルス幅 | 0.25~100msec | 1-100msec |
最大Hz | 最大10Hz(DCD使用時は最大3Hz) | 最大3Hz |
冷却方法 | 非接触,DCD(ハンドピースから-26℃) |
デュアルクーリング約3℃
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最大照射面積cm2 | 5.3066 | 7.29 |
アレキ最大j/cm2 | 68.9858 | 54.675 |
ヤグ最大j/cm2 | 90.2122 | 76.545 |
合計最大出力 | 131.22 | |
本体寸法 | 46*69*107 | 47*110*104 |
体重 | 118 | 180 |
電源 | 200 | 200 |
キャリブレーション
ジェントルマックスプロプラスでは、出力とパルス幅が間違いなく設定の値であると確認するため、毎回照射前に機械で確認をした後で照射が可能になります。
一方、スプレンダーXではキャリブレーション自体がありません。3〜6ヶ月に1度の点検で確認を行います。
レンズの交換方法
ジェントルマックスプロプラスは、26mm専用のアタッチメントがあり、24mm以下を使用する場合は再度交換、キャリブレーションを行う必要があります。
スプレンダーXでは、マグネットの装着式なのでレンズ交換方法はスプレンダーの方が優れていると言えると感じました。
冷却
ジェントルマックスプロはDCDガスなので、スプレンダーXのエアークーリングよりも冷却されます。
DCDガスは照射時に-26℃の冷却ガスが出ます。
スプレンダーXの照射時の皮膚温度は約3℃です。
冷却に関しては個人の好みもありますので、どちらが良いのかは不明です。
ただ、より冷却された方が痛みは感じにくいメリットはありますが、凍傷のリスクもございます。
出力
ジェントルマックスプロはアレキとヤグ、それぞれの最大値はスプレンダーXより大きな値になります。
スプレンダーXと比較して
アレキは1.262倍
ヤグは1.178倍
のエネルギーを出すことが出来ます。
ただし、スプレンダーXはそれぞれ独立したエンジンを搭載しているため、アレキとヤグを足した出力を出すことが出来ます。
よくある質問
アレキサンドライトとヤグは同時に出るのですか?
いいえ、出ません。
アレキサンドライト照射後に、1msecのインターバルをはさみ、ヤグが照射されます。
承認機前の機種では同時に照射がされています。承認後は1msecのインターバルがあります。
インターバルの理由は承認を得るために必要であったとの情報があります。
まとめ
スプレンダーXには様々なメリットがありますが、最も魅力的な点は2波長同時照射が可能である点ではないでしょうか。
2波長同時が実際にどこまで効果があるのかは現状では効果は不明です。
また、ジェントルマックスプロプラスでは2msecのパルス幅が可能であり、キャリブレーションというシステムも整っているので、照射の正確性という意味合いではジェントルマックスプロプラスの方が良いのではないでしょうか。
どちらの脱毛機が効果が高いのか、検証をしていきたいですね。