医療脱毛に通いたい方・通い出した方はどのくらいの間隔で通院すればベストタイミングと言えるのでしょうか?
googleを「脱毛 間隔 ベスト」で検索をすると様々な意見があり、どれが正しいのかよくわからないと思います。今回は、医療脱毛専門クリニックで、これまで脱毛事業に数億円を投資してきた脱毛専門医と言っていいほどの院長だからこそ考えついたベストタイミングをお教え致します。
今回は、脱毛に通うベストな間隔は脱毛回数によって異なること、その具体的な答えと理由を解説していきます。
目次
脱毛間隔のベストタイミング一覧表
まず、結論から書いていきます。理由が気になる方はこの次の項目も読み進めて下さいね。
脱毛でツルツルの仕上がりをなるべく早く実現したい派は、5回目までは2~3ヶ月間隔で、5~8回目は2~4ヶ月間隔、それ以降は2~6ヶ月間隔で通うと良いでしょう。
脱毛の回数を出来るだけ抑えたい、コストパフォーマンス重視派は、初めは2~3ヶ月間隔ですが、だんだん脱毛間隔を空けていき、5回目以降は4~6ヶ月ほど脱毛間隔を空けた方が良いでしょう。
脱毛間隔(レナトゥスクリニックのオススメ) | 脱毛間隔(コストパフォーマンス重視の場合) | |
1回目から2回目 | 2~3ヶ月 | 2~3ヶ月 |
2回目から3回目 | 2~3ヶ月 | 2~3ヶ月 |
3回目から4回目 | 2~3ヶ月 | 3~4ヶ月 |
4回目から5回目 | 2~3ヶ月 | 3~4ヶ月 |
5回目から6回目 | 2~4ヶ月 | 4~6ヶ月 |
6回目から7回目 | 2~4ヶ月 | 4~6ヶ月 |
7回目から8回目 | 2~4ヶ月 | 4~6ヶ月 |
8回目から9回目以降 | 2~6ヶ月 | 4~6ヶ月 |
※SHR脱毛(蓄熱式脱毛)の場合も変わりません。バルジ領域が破壊されていなくても、脱毛が完了している病理像が確認されています。つまり、バルジ領域理論には矛盾があり、通常の脱毛理論と変わらない脱毛間隔がオススメです。1ヶ月に1回の脱毛間隔は相当コストパフォーマンスが悪く、全くオススメしません。
部位別(顔・VIO・腕・足・胸・背中・お尻・足など)のベスト脱毛間隔
理論上は以下が部位別のベスト脱毛間隔となります。
しかし、医療脱毛ではわかっていないことも多く、複雑な要素が絡み合います。その結果、経験上のベストの脱毛間隔は理論とは異なります。
クリニックとしては、経験上のベスト脱毛間隔をおすすめします。
ですので、どの部位であっても、上の表に従って脱毛をされることをおすすめします。
部位 | 理論ベスト脱毛間隔 | 経験上ベスト脱毛間隔 |
頭皮 | 3〜4ヶ月 | 1~2ヶ月 |
顎髭 | 2,5ヶ月 | 1~2ヶ月 |
上口唇 | 1,5ヶ月 | 1~2ヶ月 |
腋窩 | 3ヶ月 | 2~3ヶ月 |
陰部(VIO) | 3ヶ月 | 2~3ヶ月 |
上肢 | 4,5ヶ月 | 2~3ヶ月 |
下肢 | 6ヶ月 | 2~3ヶ月 |
乳房 | 不明 | 2~3ヶ月 |
脱毛間隔を決める要素は「成長期の毛の数」と「その毛が多くなるタイミング」と「脱毛に適した毛の密度」
脱毛間隔のベストタイミングはどうやって理論的に出されたのでしょうか?
脱毛間隔には、成長期の毛の数と成長期の毛の割合が重要になってきます。
これを理解するには、
①成長期とは何か?
②成長期の毛が多く生えるタイミングは?
③脱毛に適した毛の密度になるタイミングは?
④その他の理由
を理解する必要があります。
成長期とは何か?
あなたの一つ一つの毛には、それぞれに「周期」というものがあります。
「周期」とは季節の春夏秋冬のように繰り返すものです。
毛は成長期、退行期、休止期を繰り返しています。
毛周期のわかりやすい図です。
結論から言いますと、毛はたくさん生えていますが、レーザー脱毛で脱毛が出来る毛は成長期限定です。
ポイントは、皮膚表面からみると生えている毛は毛周期のどの毛か全くわからない、という点です。毛には変動部と固定部と呼ばれる部位があり、毛周期では固定部のみが伸び縮みします。
この固定部は皮膚の中にあり、見ることが出来ません。
ですから、成長期の毛は大体この程度の割合で、このくらいの期間で繰り返していますよ、という知識のみを手掛かりに成長期の毛が多いタイミングを見つけなければいけないのです。
成長期の毛が多く生えるタイミングは?
さて、これは過去に発表された毛周期についての論文から引用します。ほとんどの脱毛の教科書はこの論文から毛周期を引用しています。
部位 | 休止期(%) | 成長期(%) | 休止期の期間 | 成長期の期間 |
頭皮 | 13 | 85 | 3〜4ヶ月 | 24〜72ヶ月 |
顎髭 | 20 | 70 | 2,5ヶ月 | 12ヶ月 |
上口唇 | 35 | 65 | 1,5ヶ月 | 4ヶ月 |
腋窩 | 70 | 30 | 3ヶ月 | 4ヶ月 |
陰部 | 70 | 30 | 3ヶ月 | 4ヶ月 |
上肢 | 80 | 20 | 4,5ヶ月 | 3ヶ月 |
下肢 | 80 | 20 | 6ヶ月 | 4ヶ月 |
乳房 | 70 | 30 | ー | ー |
参考文献
)Fuchs M. Thermokinetic selectivity-a new highly effective method for permanent hair removal:experience with the LPIR alexandrite laser. Derm Prakt Dermato1.1997;5:1-7.
表からおわかりのうように、体の各部位によって成長期の割合と期間が違っています。
ここからわかる大切なことは
①成長期の%が1回に脱毛ができる最大割合です。
②成長期の期間が脱毛に反応する期間で、休止期の期間が脱毛に反応しない期間です。つまり、脱毛間隔を休止期分空けることで、休止期に入っている毛を満遍なく脱毛することが出来ます。
この理論で言うと、結論は以下の表になります。
部位 | 脱毛可能な最大割合(%) | ベスト脱毛間隔 |
頭皮 | 85 | 3〜4ヶ月 |
顎髭 | 70 | 2,5ヶ月 |
上口唇 | 65 | 1,5ヶ月 |
腋窩 | 30 | 3ヶ月 |
陰部(VIO) | 30 | 3ヶ月 |
上肢 | 20 | 4,5ヶ月 |
下肢 | 20 | 6ヶ月 |
乳房 | 30 | ー |
このような結果となりました。
例えばVIOを例にとってみます(黄色が背景のところ)。最大脱毛可能割合は30%でベスト脱毛期間は3ヶ月になります。ベスト脱毛期間に脱毛をすることで、毎回新しい休止期から成長期に移り変わった毛にレーザーを反応させることが出来ますね。
この場合は5回で83%の毛が理論的には脱毛可能で、8回で94%の毛が脱毛可能になります。
脱毛に適した毛の密度になるタイミングは?
さて、成長期の毛が生えるタイミングで脱毛間隔の答えは出たんじゃないの?と思うかもしれませんが、答えはそう単純ではありません。
脱毛は、「毛の密度が高いと脱毛できる毛の本数が少なくなる」からです。
毛の密度が高い部分は、エネルギーが分散してしまうため、一本の毛に与えられるエネルギーが低くなってしまいます。
1本の毛に100のエネルギーを与えるとしたら、同じ場所に3本の毛が生えていたら、1本あたりの毛に与えられるエネルギーが1/3になってしまうイメージです。
毛がたくさん生えすぎていても、脱毛効率は下がります。
特に脱毛を始めて5回目以内だと、毛の密度が高く、脱毛可能な最大割合まで脱毛割合を高めることが出来ないと考えられます。ですので、照射を休止期分待つのではなく、休止期より少し短めに待って照射をするのがオススメです。
ただ、これは5回目以降の脱毛になってくると話は変わってきます。細い毛がメインで残っているので、より出力を上げていかなければ反応できる毛の割合は少なくなってしまうので出力にも注意が必要です。
④その他の理由
さて、①〜③の理由で脱毛間隔のベストタイミングは②のベスト脱毛間隔より少し短めの期間が良いということがわかりました。
でも、体の部位によって成長期の割合も違うし、期間も違う。部位ごとに違うのに全て同じ間隔でいいの?と思うかと思います。
ここで、医療従事者としてはあまり言いたくはないのですが、最後の脱毛間隔を決める決定打は…ズバリ、「経験則」です。
脱毛間隔を理論で考えてみたものの、理論からは外れますが、経験則からは体の全ての部位は概ね2~3ヶ月間隔で良好な脱毛結果が出ています。
脱毛回数を重ねる毎に脱毛間隔を空けていく理由
脱毛の間隔は脱毛コースの後半になるほど間隔を空けて下さい。と言われることが多くなっています。
この理由は、細い毛になればなるほど、レーザーを照射した時に毛に起こる反応のうち、「休止期入り」をする可能性があり、その復活をある程度の期間待たなければいけないから、と考えます。
細い毛が永久脱毛をされる熱量より、少ない熱量が加わると、その毛が休止期に入ってしまうことがあります。これを専門用語でショックロス(shock loss)と言います。
休止期に入った毛は一般的には数ヶ月から1年以内に再度成長期に入りますから、休止期に入った毛が成長期になるのを待たないと、脱毛効果は出ないことになります。
従って、脱毛間隔を徐々にに空けていくことは理にかなっている、と言えます。
とはいえ、毛が伸びてきているのに、わざわざ間隔を長く空ける必要もありません。
毛が伸びてきている=成長期の毛がいる、ということですし、体の表面に出ていなくても皮膚の下で成長している毛は確実にいるはずなので、例えば8回目、9回目の照射であっても、2ヶ月後に毛が伸びているようであれば、あえて長く待たずに当てて良いと考えられます。
以上のことを踏まえ、当院の見解としては、回数を重ねたあとは、2-6ヶ月の間で自分の毛の生え方に合わせて照射間隔を調整してゆけば、満遍なく毛を減らしてゆくことができる(=ツルツルになれる)と考えております。
コストパフォーマンス重視派は脱毛間隔を確実に空ける
コストパフォーマンス重視派の方は、成長期の毛がなるべく多くなるのを待つ必要があります。毛の密度の問題があるのでは?と思うかもしれませんが、脱毛が出来るのは成長期の毛だけです。密度より毛の本数を重視することで、脱毛が出来る毛を増やすことが出来ます。
以上の理由から、当院のオススメの脱毛間隔よりも、少し長めの脱毛間隔にして頂くとコスパ良く医療脱毛を受けることができると考えられます。
デメリットは全体的に満遍なく毛が減る可能性が下がる、ということです。
しかし、脱毛が出来る毛の量は少ない回数で最も多くできるため、一つの脱毛戦略としてオススメです。
顔脱毛・硬毛化の脱毛間隔は月に1回でも大丈夫
顔の毛や、硬毛化をしている毛は、全身の毛と比較して脱毛可能な最大割合%が高いと推測されています。
この理由から、顔の毛や硬毛化をしている毛は密度も高く1回の照射で全ての毛に反応することができるわけではないため、月に1回の照射でも効果的な脱毛が出来ると考えられています。
まとめ
以上より、成長期の毛が多く生えるタイミング・脱毛に適した毛の密度になるタイミング・歴史的な経験則から考えると脱毛のベストタイミング間隔は以下の表のようになります。
皆様の参考にして頂けますと幸いです。
脱毛間隔(レナトゥスクリニックのオススメ) | 脱毛間隔(コストパフォーマンス重視の場合) | |
1回目から2回目 | 2~3ヶ月 | 2~3ヶ月 |
2回目から3回目 | 2~3ヶ月 | 2~3ヶ月 |
3回目から4回目 | 2~3ヶ月 | 3~4ヶ月 |
4回目から5回目 | 2~3ヶ月 | 3~4ヶ月 |
5回目から6回目 | 2~4ヶ月 | 4~6ヶ月 |
6回目から7回目 | 2~4ヶ月 | 4~6ヶ月 |
7回目から8回目 | 2~4ヶ月 | 4~6ヶ月 |
8回目から9回目以降 | 2~6ヶ月 | 4~6ヶ月 |