梅毒やクラミジアなどに罹患した方に脱毛が可能かご質問をいただくことがございます。
今回は性感染症(Sexually Transmitted Disease:STD)を中心に、お問合せの多い感染症と当院での医療脱毛時の対応を解説していきます。
目次
部位にかかわらず脱毛の受け入れが制限される可能性のある疾患
梅毒
梅毒は主に性行為または類似の行為により感染する性感染症のひとつです。
皮膚や粘膜の小さな傷から梅毒トレポネーマ(T.p.)という細菌が侵入することで感染します。
結論から申し上げますと、当院では過去に梅毒に罹患したことがある方も、治療後に治癒したことが認められれば医療脱毛が可能です。
梅毒は2021年以降大きく増加しており、2022年10月下旬の時点で10,000例を超える報告があり、注意が必要です。
梅毒に感染すると、最初は性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりができ、これらの症状は2-3週間で消失します。
しかしこれは梅毒が治ったというわけではなく、約3ヶ月後に痛みや痒みのない発疹が手や体中に広がることがあります。
梅毒は抗生物質を用いた治療を行わない限り治癒することはまずありません。
治療をしないまま放置していると、数年から数十年の間に心臓や血管、脳などの臓器に病変が生じ、時には死にいたることもあります。
更に妊娠中の梅毒は胎児の死産や発生の異常につながる可能性があり非常に危険です。
思い当たる症状があった場合やパートナーの感染が疑われた場合は今すぐに専門機関への受診と早期治療に努める必要があります。
梅毒の診断や治療後の治癒判定には、STS(RPR)やTP抗体といった値を用います。
梅毒の感染後、これらの値が増加していくには1ヶ月程度かかるので、梅毒感染検査は感染が疑われるパートナーとの性的接触から1ヶ月以上空ける必要があります。
治療後は、定期的に血液検査を行い、具体的にはSTSが陰性化するのを確認していきます。
レナトゥスクリニックでは、梅毒に罹患したことがある方の脱毛も行っています。
梅毒に感染してしまった場合は、まずは治療に専念し、しっかりと治癒させましょう。
主治医の先生から治癒判定を受けた場合は、主治医の先生の脱毛許可と、直近1ヶ月以内含んだ経時的な血液検査のデータをご持参いただきますと医療脱毛が可能になります。
詳しくは公式ラインやカウンセリングでご質問いただければと思います。
エイズ(HIV感染症)
エイズ(AIDS)はHIVというウイルスによって免疫状態が極度に低下し、通常では発症しないような感染症や腫瘍(エイズ指標疾患)を発症してしまう疾患を指します。
HIVは血液や体液を介して感染し、適切な治療がなされないとエイズを発症し10-20%の確率で死に至ります。
医療現場においては、例えばHIVに感染している人の採血を行なった針を、誤って医療者が自分の指などに刺してしまった場合、採血の針を通してその医療者がHIVに感染してしまう場合があります。
医療脱毛の場面においては、例えば剃毛時に医療者が誤って患者の皮膚を傷つけてしまい、血がついてしまった剃刀で誤って自分の皮膚を傷つけてしまった場合、その患者様がHIV感染者であれば、医療者も感染してしまう可能性があります。
HIVは感染すると体内からウイルスが完全になくなることはない、つまり治癒することはありません。
一方で、HIV感染症治療の進歩は目覚ましく、複数の抗HIV薬を併用することにより100%近くの確率で治療は成功し、一般人とほぼ同等の生命予後を期待し得るまでに至っています。
HIV感染症の診断や治療効果の判定にはHIVのウイルス量(HIV-RNA)や特定の免疫細胞の数(CD4陽性Tリンパ球)を用いますが、抗HIV薬を内服中で、なおかつ、ウイルス量が連続して一定の基準未満(HIV-RNAが50 copies/mL未満)を維持できている場合は、医療現場における感染リスクは限りなくゼロに近いと考えられるようになっています。
当院では、HIV感染症をお持ちの場合でも、病状や治療状況によっては医療脱毛が可能な場合がございます。
その際は、主治医の先生へのご確認と定期的な血液検査データのご提示をお願いしております。
B型肝炎
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染している人の血液や、体液(傷の浸出液、膣分泌液、精液、唾液、尿など)を介して感染します。
医療現場においては、例えばB型肝炎ウイルスに感染している人の採血を行なった針を、誤って医療者が自分の指などに刺してしまった場合、採血の針を通してその医療者がB型肝炎ウイルスに感染してしまう場合があります。
医療脱毛の場面においては、例えば剃毛時に医療者が誤って患者の皮膚を傷つけてしまい、血がついてしまった剃刀で誤って自分の皮膚を傷つけてしまった場合、その患者様がB型肝炎ウイルス感染者であれば、医療者も感染してしまう可能性があります。
B型肝炎は慢性化してしまった場合多くは無症状のままウイルスを持ち続け、体内からウイルスが完全になくなることはない、つまり治癒することはありません。
また、HIV感染症や他の肝炎と比較して血液感染のリスクが高い特徴があります。
そのため、残念ながら、B型慢性肝炎の患者様においては、肝機能障害がなかったとしても施術の受け入れが難しいと言われることも少なくないと思われます。
一方、B型肝炎に感染しても慢性化せずに治癒した場合(PCR検査でB型肝炎ウイルスが検出されなくなった状態)は、肝機能障害がなければ医療脱毛の施術を受けることは可能と考えられます。
その際は、主治医の先生へのご確認と血液検査データのご提示をお願いしております。
C型肝炎
C型肝炎は、主にC型肝炎ウイルスに感染している人の血液を介して感染します。
B型肝炎と同様に、医療脱毛の場面において、医療者も感染してしまう可能性があります。
C型肝炎は60-70%の確率で慢性肝炎に移行してしまうのが特徴です。
C型肝炎に感染してしまった場合は、まずは治療に専念し、しっかりと治癒(PCR検査でC型肝炎ウイルスが検出されなくなった状態)してから医療脱毛の施術を受けることが望ましいと考えられます。
その際は、主治医の先生へのご確認と血液検査データのご提示をお願いしております。
A型・E型肝炎
ウイルス性肝炎の中でも、A型肝炎とE型肝炎は、一般的に慢性肝炎に移行することはほぼないと考えられるため、症状が改善しており血液検査で肝機能障害も認められなければ、医療脱毛を受けることは可能だと考えられます。
VIO脱毛が制限される可能性のある疾患
次は、デリケートゾーンに局所的に症状が出ている例について解説します。
当院では基本的にデリケートゾーン以外に感染が広がっていない場合はVIO以外の部位の脱毛は可能です。
VIOに関しては、しっかりと治療し治癒してからの脱毛開始となります。
淋菌
淋菌感染症は主に性行為または類似の行為により感染する性感染症のひとつで、クラミジア感染症と並んで頻度が高く、合併も多い性感染症です。
1回の性行為によって30%もの確率で、相手に感染は伝達すると言われています。
女性では子宮頸管に、男性では尿道に炎症を起こすことがほとんどですが、重症例では骨盤内や時には全身に感染が拡大することがあります。
一般的な症状としては、女性では帯下の増加や不正出血が挙げられますが無症状なことも多いです。
男性は女性と比較して症状を自覚することが多く、排尿痛や尿道の黄白色・膿性の分泌物があらわれます。
また、咽頭炎や結膜炎などを引き起こすこともあります。
治療法としては抗生物質の点滴投与が推奨されています。
淋菌に感染してしまった場合は、まずは治療に専念し、しっかりと治癒してからVIOの脱毛を再開しましょう。
クラミジア
性器クラミジア感染症は主に性行為または類似の行為により感染する性感染症のひとつで、世界的に最も患者数の多い性感染症です。
女性では子宮頸管や骨盤内に、男性では尿道や精巣上体に炎症を引き起こしますが、男女ともに無症状なことも少なくありません。
後遺症として卵管妊娠や不妊症を残すこともあり、無症候感染者の早期発見・治療が重要です。
治療法としては抗生物質の内服が一般的で、治癒判定は投薬開始2週間後に分泌物からクラミジアが検出されないかを確認します。
クラミジアに感染してしまった場合は、まずは治療に専念し、しっかりと治癒してからVIOの脱毛を再開しましょう。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって性器に潰瘍や水ぶくれのような水疱を形成する疾患です。
HSVは感染すると潜伏し、症状を繰り返すことがあります。
初感染時は疼痛が強く、排尿や歩行が困難になることも少なくありませんが、再発時は症状は軽く、気づかないことも多いです。
そのため外陰部や口周囲からHSVが放出されているパートナーが自覚のないまま性的接触を行い、相手に感染することがあります。
治療法としては抗ウイルス薬の内服が一般的です。
性器ヘルペスを発症してしまった場合は、まずは治療に専念し、しっかりと治癒してからVIOの脱毛を再開しましょう。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは性器へのヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染による性感染症のひとつです。
HPVは性的接触によって皮膚や粘膜の微小な傷から侵入し感染しますが、潜伏期間が3週間から8ヶ月と長いことから感染源を特定できないこともあります。
症状は非常に特徴的で、カリフラワーに類似した見た目のできものが外性器に出現します。
治療法には塗り薬による外用療法や液体窒素やレーザーによる除去などがありますが、治癒までの時間は長く再発も多いです。
治癒判定は視診が主たるものとなりますが、3ヶ月以内に25%も再発することから最低3ヶ月の追跡が必要です。
尖圭コンジローマに感染してしまった場合は、まずは治療に専念し、しっかりと治癒してからVIOの脱毛を再開しましょう。
性器カンジダ症
性器カンジダ症はカンジダというカビの一種によって引き起こされる性器の感染症です。
ほとんどが女性への感染であり、抗生物質の投与後や免疫力が落ちている場合に起こりやすい特徴があります。
主な症状は外陰や腟の掻痒感と帯下の増量で、治療には抗生物質の膣内投与が一般的です。
性器カンジダ症を発症してしまった場合は、まずは治療に専念し、しっかりと治癒してからVIOの脱毛を再開しましょう。
その他お問い合わせの多い感染症について
新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2)
発症日を0日として、発症から5日は外出を控え、かつ、症状が軽快してからも24時間は外出を控えた方が良いとされています。
また、学校保健安全法では、出席停止の期間を「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」としていることも鑑みると、少なくとも発症した後5日間(5日間経っていても症状の軽快がない場合は、症状軽快してから1日)が経過するまでは脱毛の照射は避けた方が無難と考えられます。
症状が軽快していても、ウイルスは7-10日間ほど排出し続けると考えられているため、その期間はマスクの着用など感染防御に努めて照射を受けることが推奨されます。
季節性インフルエンザウイルス感染症
学校保健安全法では、出席停止の期間を「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」としていることも鑑みると、少なくとも発症した後5日間(5日間経っていても解熱後2日経っていない場合は、解熱してから2日)が経過するまでは脱毛の照射は避けた方が無難と考えられます。
症状が軽快していても、ウイルスは3-7日間ほど排出し続けると考えられているため、その期間はマスクの着用など感染防御に努めて照射を受けることが推奨されます。
参考文献
医療脱毛施術詳細
【施術名】医療脱毛
【施術内容】厚生労働省認可の医療レーザー脱毛機械熱破壊式ジェントルマックスプロ・ジェントルマックスプロプラスでバルジ領域・毛根・毛母細胞などの毛包周囲組織を破壊し、永久減毛効果を出す施術です。
【料金】お試し医療脱毛¥110円(税込)、全身脱毛5回ライトプラン¥14,9800円(税込)
医療脱毛は公的医療保険が適用されない自由診療です。
【リスク・副作用】ヤケド・痛み・赤み・毛嚢炎・蕁麻疹・アレルギー反応・硬毛化・色素沈着・色素脱失・痒み・乾燥・埋没毛・ほくろしみが薄くなる・肝斑の悪化・まつ毛、眉毛、髪の毛の脱落・腫れ等
【問い合わせ先】公式LINE
※料金、リスク・副作用、施術内容は登録時点での情報となります。最新の情報はクリニックへお問い合わせください。
監修医師一覧(専門医情報)
-
レナトゥスクリニック 新宿院院長私は患者として、医療脱毛、ボトックスやヒアルロン酸はもちろん、様々な施術を受けてまいりました。
自分自身で口コミや評判、症例などを調べて美容クリニックへ行き、成功したこともあれば失敗したこともあります。
このような経験をしてきたからこそ、本当に良い美容医療を責任感を持って提供したいという強い意志があります。
美容業界に携わる今、皆さまの美しくなりたい気持ちに真摯に応え、誠実な美容医療を提供していきたいと強く考えております。
小さなお悩みも、長年のコンプレックスも、お力になれればと存じます。
新宿の美容医療なら渡邊にお任せください。
東京女子医科大学出身、美容施術経験多数(なんでも聞いてください!)、instagram、Tiktok、X(旧Twitter)