医療脱毛で注意すべき薬剤性光線過敏症の主な原因薬剤とは?

お薬

現在かかっている病気の治療として光線過敏症を引き起こす可能性のある薬剤の投与を受けている患者さんは、レーザー照射部位に光過敏反応を起こす可能性があり注意が必要です。特に、ニューキロノン系抗菌剤、非ステロイド系消炎鎮痛剤(ケトプロフェン等)、抗ヒスタミン剤 (ゼスラン、ニポラジン等)、降圧剤(持続性ARB/利尿薬合剤)などには十分ご注意ください。

また、 日焼け止めクリームは光を吸収する性質があり、そのままレーザーを照射すると火傷を起こす可能性があります。 必ず、しっかり拭き取ってからレーザー照射を行ってください。 

薬剤性光線過敏症の主な原因薬剤一覧

下記に属する薬剤の中には光線に過敏反応し薬疹を引き起こした報告のあるものが含まれています。
黄色のマーキングをしていえる薬剤は、使用されている頻度が高く、注意が必要です。

区分 薬剤 主な製剤名
向精神薬(フェノチアジン系) クロルプロマジン ウインタミン(塩野義)
コントミン(吉富)
ベゲタミン(塩野義)
レボメプロマジン ヒルナミン(塩野義)
レボトミン(三菱ウェルファーマ)
チオリダジン(※1) メレリル(ノバルティス)
 (非定型抗精神病薬) オランザピン ジプレキサ(日本イーライリリー)
抗うつ薬

塩酸イミプラミン

トフラニール(チバガイギー)
イミドール(三菱ウェルファーマ)

塩酸クロミプラミン

アナフラニール(チバガイギー)

塩酸パロキセチン水和物

パキシル(グラクソ)

マレイン酸フルボキサミン

ルボックス(ソルベイ)

抗てんかん薬

カルバマゼピン

テグレトール(チバガイギー)

筋弛緩薬

アフロクァロン

アロフト (田辺)

抗ヒスタミン薬

メキタジン

ゼスラン(旭化成ファーマ) ニポラジン(アルフレッサ)

プロメタジン

ヒベルナ(三菱ウェルファーマ)

ピレチア(塩野義)

ジフェンヒドラミン

ベナ(田辺) レスタミン(興和)

マレイン酸クロルフェニラミン

ポララミン

ベタメタゾン・マレイン酸クロルフエニラミン

セレスタミン

抗アレルギー薬(鼻炎用)

ラマトロバン(※2)

バイナス

抗菌薬(キノロン系)

ナリジクス酸(※1)

ウイントマイロン

(ニューキノロン系)

スパルフロキサシン(※1)

スパラ

ロメフロキサシン

バレオン (北陸製薬)
ロメバクト (塩野義)

エノキサシン

フルマーク (大日本製薬)

オフロキサシン

タリビット (第一製薬)

シプロフロキサシン

シプロキサン (バイエル)

レボフロキサシン

クラビット (第一製薬)

フレロキサシン

メガロシン (中外)

トスフロキサシン

オゼックス (富山化学工業) トスキサシン (アボット)

(複合化学療法薬)

スルファメトキサゾール・トリメトプリム

バクタ (塩野義)

(マクロライド系)

アジスロマイシン水和物

ジスロマック (ファイザー)

 

クラリスロマイシン

クラリシッド (アボット) クラリス (大正製薬)

(テトラサイクリン系)

塩酸ミノサイクリン

ミノマイシン (ワイス)

 

塩酸テトラサイクリン

アクロマイシン (ワイス)

 

ドキシサイクリン

ビブラマイシン (ファイザー)

抗真菌薬

グリセオフルビン(※1)

ポンシル FP (武田) グリセチン V (日本化薬) グセルビン FP (中外)

 

フルシトシン

アンコチル (共和)

 

イトラコナゾール

イトリゾール (ヤンセン)

 

塩酸テルビナフィン

ラミシール (ノバルティス)

抗ウイルス剤

塩酸バラシクロビル

バルトレックス (グラクソ)

 

リバピリン

レベトール (シェリング・プラウ)

 

インターフェロンアルファ-2b(注射薬)

イントロン (シェリング・プラウ)

 

ペグインターフェロンアルファ-2a(注射薬)

ペガシス (中外)

 

ペグインターフェロンアルファ-2b(注射薬)

ペグイントロン(MSD)

消炎鎮痛薬(外用)

ケトプロフェン

モーラス (久光)
メナミン軟膏 (アベンティス)
エパテッククリーム (ゼリア)
セクタークリーム (久光)
ミルタックス (第一)

 

スプロフェン

スルプロチン (大洋)
スレンダム (科薬)
トパルジック (アルフレッサ)

 

ピロキシカム

バキソ (富山)

 

メロキシカム

モービック (ベーリンガー)

 

ジクロフェナクナトリウム

ボルタレン (ノバルティス) ナボール (久光)

 

チアプロフェン酸

スルガム (アベンティス)

 

アンピロキシカム

フルカム (ファイザー)

抗リウマチ薬

アクタリット

モーバー (三菱ウェルファーマ)
オークル (日本新薬)

 

メトトレキサート

リウマトレックス (ワイス)

血圧降下薬
(チアジド系利尿剤薬)

ヒドロクロロチアジド(※1)

ダイクロトライド (万有)

 

トリクロルメチアジド

フルイトラン (塩野義)

 

ベンチルヒドロクロロチアジド(※1)

ベハイド (杏林)

 

クロフェナミド(※1)

 

(非チアジド系利尿薬)

メチクラン(※1)

アレステン (日本新薬)

 

トリパミド

ノルモナール (エーザイ)

 

インダパミド

ナトリックス (京都)
テナキシル (アズウェル)

(炭酸脱水素酵素阻害薬)

アセタゾラミド

ダイアモックス

(ループ利尿薬)

メトラゾン

ノルメラン (ノバルティス)

(β遮断薬)

塩酸チリソロール(※1)

セレカル (富山)

 

ピンドロール(※2)(※3)

カルビスケン (アルフレッサ)

(Ca 拮抗薬)

アゼルニジピン

カルブロック

 

塩酸ジルチアゼム

ヘルベッサー (田辺)

 

ベシル酸アムロジピン

アムロジン (大日本住友)
ノルバスク (ファイザー)

 

塩酸ニカルジピン(※3)

ベンジピン (アステラス) ニコデール (日本シェ)

 

ニフェジピン

アダラート (バイエル)
セパミット (日本オルガノン)

(A-II拮抗剤)

カンデサルタン・シレキセチル

ブロプレス (武田)

 

バルサルタン

ディオバン (ノバルティス)

 

ロサルタンカリウム

ニューロタン (万有)

(ACE 阻害薬)

カプトプリル

カプトリル (三共)

 

エナラプリル

レニベース(MSD)

 

アセラプリル

セタプリル(大日本住友)

 

デラプリル

アデカット(武田テバ)

 

シラザプリル

インヒベース(※3)

 

リシノプリル

ロンゲス(共和)
ゼストリル(アストラゼネカ)

 

べナゼプリル

チバセン(サンファーマ)

 

イミダプリル

タナトリル(田辺三菱)

 

テモカプリル

エースコール(第一三共)

 

キナプリル

コナン(田辺三菱)
(※4)

 

トランドラプリル(※2)

オドリック(日本新薬)
プレラン(サノフィ)(※3)

 

ぺリンドプリルエルブミン

コバシル(※2)

持続性ARB/利尿薬合剤

ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド

プレミネント配合錠LD/HD(オルガノン)

 

バルサルタン・ヒドロクロロチアジド

コディオ配合錠MD/EX(ノバルティス)

 

テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド

ミコンビ配合錠AP/BP(日本薬局)

抗糖尿病薬(SU 剤)

リシノプリル

ロンゲス (塩野義)
ゼストリル (アストラ・ゼネカ)

 

トルブタミド(※1)

アルトシン (山之内)
ヘキストラスチノン (HMR)

 

クロルプロパミド

ダイアビニーズ (ファイザー)(※3)

 

グリベンクラミド

オイグルコン (山之内)
ダオニール (HMR)

 

グリクラジド

クリミクロン (大日本)

 

グリメピリド

アマリール (アベンティス)

 

カルブタミド

インベノール

 

ボグリボーズ

ベイスン (武田)

痛風治療薬

ベンズブロマロン

ユリノーム (鳥居)

抗腫瘍薬

フルオロウラシル

5-FU (協和)
ルナコール (沢井)

 

テガフール

フトラフール (大鵬)
サンフラールS (旭化成)
ユーエフティ (大鵬)

 

ダカルバジン

ダカルバジン (協和)

(前立腺癌治療薬)

フルタミド

オダイン (日本化薬)

前立腺肥大症治療薬

塩酸タムスロシン

ハルナール (アステラス)(※2)

高脂血症治療薬

シンバスタチン

リポバス (万有)

 

プラバスタチンナトリウム

メバロチン(日本薬局)

 

アトルバスタチンカルシウム水和物

リピトール (アステラス)

光化学療法剤

8-メトキシソラレン

オクソラレン (大正)

 

トリオキシソラレン

 

 

ヘマトポルフィリン誘導体(HpD)

 

ビタミン剤

エトレチナート

チガソン (中外)

 

ビタミン B-6(塩酸ピリドキシン)

 

 

ビタミン B-12(コバラミン)(※2)

 

局所麻酔薬

塩酸ジブカイン

 

経口避妊薬

 

 

サンスクリーン剤

 

 

(※1)販売中止薬品、もしくは国内取扱なし
(※2)添付文書上記載なし、もしくは国内報告なし
(※3)先発品販売中止薬品
(※4)販売中止予定薬品(現行の在庫がなくなり次第終了)

国内での薬剤性光線過敏症(お薬が原因で起こる光線過敏症)の発症状況を調べた論文があり、そこでは、日本の有害事象自発報告データベース(JADER)を用いて、2004年から2015年までのに報告された「光線過敏症」の被疑薬(原因と疑われるお薬)を解析しています(※5)。
この論文によると、高血圧の治療に使われる「降圧剤」、その中でも特に「持続性ARB/利尿薬合剤」と呼ばれる種類のもので光線過敏症の報告が多く、全体の22.5%を占めているとのことでした。とりわけ「ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド」(商品名:プレミネント配合錠LD/HD(先発品)、ロサルヒド配合錠(後発品))での報告が多く、この一剤で全体の24.5%を占めていました。また、同じ論文で、次に報告が多かったものは湿布などに使われている「ケトプロフェン」(商品名:モーラステープ(先発品)、ケトプロフェンテープ(後発品))で全体の8.5%を占めていました。
一方で、以前は「キノロン系抗菌薬」と呼ばれる抗生物質における薬剤性光線過敏症が注意喚起多くなされていましたが、こちらの論文の調査によると、キノロン系抗菌薬に対する光線過敏症の報告は比較的少ない結果となりました。キノロン系抗菌薬において、特にスパルフロキサシン(スパラ)やロメフロキサシン(ロメバクト、バレオン)は光毒性が強く、注意が必要です(スパルフロキサシン(スパラ)は現在販売中止になっております)。
しかしながら、近年広く使用されているレボフロキサシン(クラビット錠(先発品)、レボフロキサシン錠(後発品))は比較的光線過敏症のリスクが低いとされています。キノロン系抗菌薬による光線過敏症の報告数が減少した理由として、使用される薬剤の変遷が関係していると考えられます。

(※5)「日本の有害事象自発報告データベース(JADER)を用いた薬剤性光線過敏症症例の解析」田中 博之, 有山 智博, 石井 俊浩(敬称略) J Environ Dermatol Cutan Allergol. 10(3):195-201, 2016

湿布薬ケトプロフェンの薬剤性光接触皮膚炎に注意!

とはいえ、脱毛を受けられる方で、上記の降圧薬を処方されている方は少ないでしょうし、他に有効な製剤があるのにあえてリスクの高い抗生剤を処方される可能性も低いかと思われます。
しかし、薬剤性光線過敏症を引き起こす薬剤で、報告数も多く、かつ一般的に使用される頻度も高い薬剤が一つあります。それが「ケトプロフェン」という、湿布などによく使用される消炎鎮痛剤です。
ケトプロフェンは「モーラステープ」や「ケトプロフェンテープ」という名前で、打撲や捻挫の時などに処方されます。また、市販薬でも「ケトプロフェンパップ」として販売されており、ドラッグストアなどでも入手可能な、とても身近な薬剤です。
しかし一方で、「薬剤性光接触皮膚炎」と言う皮膚炎症状が多く報告されています。

光接触皮膚炎とは?

薬剤を外用(湿布を貼る、塗り薬を塗るなど)した後に紫外線を浴びることで、外用剤が接触していた部位に生じる皮膚炎のことを「光接触皮膚炎」と言います。

ケトプロフェンによる光接触皮膚炎の特徴とその予防法

ケトプロフェンによる光接触皮膚炎は、遮光(紫外線を避けること)によって予防することができます。
ケトプロフェンテープ(モーラステープ)は3〜4週間経過してから光接触皮膚炎を起こしたという報告があります。ケトプロフェンテープ(モーラステープ)の成分は、皮膚から剥離した後も最大4週程度皮膚に残存するため、使用を中止した後も4週間は貼付部位を遮光する必要があります。
その際、遮光の方法として、サンスクリーン剤(日焼け止め)の使用は適切ではありません。
ケトプロフェンは、サンスクリーン剤に広く使用されている成分(オキシベンゾンやオクトクリレン)と相互に作用してしまい、光線過敏症の症状を起こすことがあるためです。
そのため、遮光には貼付部位を衣服やサポーターで覆うなどの物理的な遮光を用いてください。

光線過敏症と診断されたら脱毛はできませんか?

結論から言いますと、光線過敏症と診断された方でも、光線過敏症を起こしうる薬剤使用中の方でも、脱毛はできる場合が多いです。
これは、光線過敏症を引き起こす原因となる光は「紫外線」であることが多く、脱毛で用いる光とは波長が異なるためです。
しかし、絶対大丈夫というわけではないので、光線過敏症と診断された方や、光線過敏症を起こしうる薬剤を使用中の方は、脱毛を受けるにあたって一般の人に比べリスクが高くなることは念頭においておいたほうが良いかと思われます。

当院では、初診時に光線過敏症の既往や、使用している薬剤を教えていただければ、医師が診察の上、テスト照射を行うこともございます。
当院で脱毛をご検討中の方は、初診時に医師にお申し付けください。

また、ケトプロフェンテープ(モーラステープ)に関しましては、脱毛の照射から1ヶ月以内でご使用されていた場合は、該当箇所を避けて照射する場合もございます。

使用中のお薬で脱毛ができるかどうかはレナトゥスクリニック医師にご相談を!

現在何かしらの疾患にかかっており治療中の方や、普段から使用されているお薬のある方でも、全身状態が良好の場合、脱毛をお受けいただける場合が多いです。しかし、ご自身が罹患している疾患や、使用しているお薬が脱毛に影響ないかの判断はなかなか難しいかと思われます。
まずは主治医の先生にご相談いただき、脱毛を受けること自体が治療上影響ないかどうかご確認ください。
その上で、問題ないと判断された場合は、治療中の疾患やご使用中のお薬が照射に影響しないかどうか、当院の医師が判断しますので、初診時にご相談ください。

(参考文献)「日本の有害事象自発報告データベース(JADER)を用いた薬剤性光線過敏症症例の解析」田中 博之, 有山 智博, 石井 俊浩(敬称略) J Environ Dermatol Cutan Allergol. 10(3):195-201, 2016
久光製薬安全性情報(https://www.hisamitsu.co.jp/medical/data/hisamitsu-anzentokusyuu.pdf)他

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