髪の毛は増やしたいけれど体毛は減らしたい・・・毛の悩みは尽きませんね。
AGA治療薬の中には体毛も増やしてしまう副作用を持つものがあります。
様々な意見がありますが、レーザー脱毛とAGA治療(薄毛治療)は同時にして良いと考えています。
レーザー脱毛と薄毛治療薬の特徴を踏まえて解説していきます。
目次
レーザー脱毛とは
医療脱毛は主にレーザーを用いて毛を破壊していきます。
レーザーが肌の黒や茶色の色素(メラニン色素)に反応し、熱を発生させます。
その熱により、毛母細胞やバルジ領域といった発毛に関わる組織が破壊され、毛は破壊されます。
医療レーザー脱毛において、この仕組みは熱破壊式であっても蓄熱式であっても共通です。
レーザーの反応によって発生する熱エネルギーは、メラニン色素の量が多いほど、つまり毛が濃く太いほど、大きくなります。
逆に産毛のようなメラニン色素が少ない毛は発生する熱エネルギーが小さいことになります。
産毛の脱毛が難易度が高いのはこういった仕組みにあります。
AGA治療をするとムダ毛は増える?
AGA治療といってもその治療薬はさまざまです。
大きく分類すると、①毛を増やす作用を持つものと②毛髪が弱く細くなることを妨げる作用を持つものに分かれます。
結論から申し上げますと、AGA治療薬の中には体毛も増やしてしまう副作用を持つものがあります。
お薬の話を進める前に、AGAの前提知識を簡単にまとめてみました。
・AGAにはジヒドロステロン(DHT)という物質が関与している。
・DHTには、毛髪においては細胞増殖抑制、毛周期異常(成長期の短縮化)、毛包のミニチュア化といった作用があり、進行的に毛髪を細く弱らせる。
・DHTは毛髪以外の体毛に対しては毛を太く濃くさせる作用を持つ。
・DHTはもともとはテストステロンというホルモンで、5α-還元酵素(Ⅰ型とⅡ型があります!)という酵素によりDHTに変換される。
AGA治療薬には5α-還元酵素の働きを阻害するものが多数あり、こちらは②毛髪が弱く細くなることを妨げる作用を持つものに分類されます。
こちらに分類される薬を5α-還元酵素阻害薬といいますが、DHTの増加を抑制するので体毛が濃くなることはありません。
一方、①毛を増やす作用を持つ薬に分類される薬には体毛も増やしてしまうものがあります。

AGAの仕組みや薬については以前の記事にもまとめていますのでご参考くださいね。
フィナステリド
フィナステリドは②毛髪が弱く細くなることを妨げる作用を持つもの(体毛は増えない)に分類され、日本皮膚科学会において脱毛症治療に強く推奨されている薬のひとつです。
20歳以上の男性型AGAにのみ適応があり、女性には無効です。
5α-還元酵素の中でもⅠ型のみを阻害します。
後述のデュタステリドはⅠ型もⅡ型も阻害するため、有効性はデュタステリドに劣りますが、デュタステリドには精子数が低下してしまうという副作用が強いため、挙児希望がある場合はフィナステリドが向いている場合があります。
また、前立腺癌などのマーカーであるPSAの値を半分程度に低下させてしまうため、検診などの際は内服していることをしっかりと伝えましょう。
デュタステリド
デュタステリドも②毛髪が弱く細くなることを妨げる作用を持つもの(体毛は増えない)に分類され、日本皮膚科学会において脱毛症治療に強く推奨されている薬のひとつです。
20歳以上の男性型AGAにのみ適応があり、女性には無効です。
5α-還元酵素のⅠ型とⅡ型、どちらも阻害するためフィナステリドよりも毛髪の数や太さの増加において優れているという報告が多数あります。
また、フィナステリドと比較して前頭部への効果が強いとも言われています。
一方で、精子数を著名に低下させたという報告があり挙児希望がある場合は他の薬を選択すべき可能性があります。
フィナステリドと同様に前立腺癌などのマーカーであるPSAの値を半分程度に低下させてしまうため、検診などの際は内服していることをしっかりと伝えましょう。
ミノキシジル外用
ミノキシジルは元々高血圧の治療薬として開発されましたが、副作用として増毛効果が見られたことから薄毛治療に用いられるようになりました。
外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)があり、外用薬は日本皮膚科学会において脱毛症治療に強く推奨されている薬のひとつです。
ミノキシジル5%外用薬はデュタステリド0.5mg/day、フィナステリド5mg/dayの次に有効性が高いとの報告があり、男性だけでなく女性型の脱毛症にも適応があります。
また、不妊治療をしている方にも使用することができます。
一方で外用薬は内服薬と比較すると影響は小さいと考えられるものの、全身の毛の多毛化を引き起こす可能性があります。
また、外用の開始初期には休止期脱毛といって、一時的に毛が抜け落ちる現象が見られることがありますが、この症状は一時的なものなので中止しないよう注意が必要です。
脱毛治療と並行する場合、注意が必要な薬剤のひとつです。
ミノキシジル内服
ミノキシジルには内服薬もあります。
ミノキシジル内服薬は、現時点で脱毛症治療として認可されている国がないのですが、その増毛効果からAGA治療によく用いられています。
①毛を増やす作用を持つ薬に分類され、毛髪だけでなく全身の毛の多毛化を引き起こします。
元々が高血圧の薬として開発されたことから分かるように、動悸や心拍数増加などの副作用の記載がありますが、頻度としては多くないようです。
脱毛治療と並行する場合、注意が必要な薬剤のひとつです。
スピロノラクトン
スピロノラクトンは古くからある利尿薬ですが、副次的効果としてテストステロンの産出抑制によるDHTの低下を持つため薄毛治療に用いられることがあります。
②毛髪が弱く細くなることを妨げる作用を持つものに分類されますが、副作用として全身の多毛があります。
乳房が大きくなる副作用があり男性には使用できないため、女性型の脱毛症に用いられます。
他にもカリウムやナトリウムなどの電解質の異常や便秘などの副作用を持つため定期的な血液検査が必要になります。
脱毛治療と並行する場合、注意が必要な薬剤のひとつです。
メソセラピー
ミノキシジルや成長因子などを薄毛の気になる部位に注射で直接注入する治療です。
月に1回程の頻度で注入を行い、内服治療と並行することがほとんどです。
効果は局所的であることが予想されるためムダ毛が極端に増える可能性は低いです。
脱毛と薄毛治療、どちらを先に始めれば良いの?
ミノキシジルやスピロノラクトンによって全身のムダ毛が増えてしまう可能性があることがわかりましたね。
それでは脱毛と薄毛治療はどちらを先に始めれば良いのでしょうか。
様々な意見がありますが、個人的には並行して行って良いと考えています。
そもそも薄毛治療に伴うムダ毛による不快感が強い場合は、レーザー脱毛で改善していく他ないです。
また、AGAは進行性の疾患なため治療の継続が重要ですが、一定期間ミノキシジルを内服して増毛効果が現れた場合、フィナステリドやデュタステリドによる維持療法(抜け毛予防)に切り替えることで、半年程度でムダ毛も改善していくことが見込まれます。

他にも、脱毛レーザーがメラニン色素に反応するという特性上、濃く太くなった毛に脱毛レーザーは反応しやすく脱毛効率が上昇する可能性も考えられます。
ただその分痛みは増してしまうため、痛みに弱い方は多毛の副作用が落ち着いてから開始されたほうが良いかもしれません。
まとめ
AGAの治療薬は、①毛を増やす作用を持つものと②毛髪が弱く細くなることを妨げる作用を持つものに分かれます。
治療薬の中には全身のムダ毛を増やしてしまう副作用を持つものがあります。
薄毛治療を行なっている方も脱毛を行うことは可能で、副作用により濃く太くなった毛に脱毛レーザーは反応しやすく脱毛効率が上昇する可能性も考えられますが、痛みには注意が必要です。
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この記事の監修者
レナトゥスクリニック統括院長 副田 周医師
国立富山大学医学部医学科卒業。大手美容外科院長を経て、医療脱毛特化のレナトゥスクリニックを開業。医療レーザー脱毛における安全性とプロトコル設計に注力し、レーザー機器の特性に応じた出力・パルス幅・スポットサイズの個別最適化を行います。主力機器『GentleMax Pro Plus』を用い、肌質・毛質ごとの設定を医師管理下で運用しています(効果には個人差があります)。
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