ピコスポットのダウンタイムと色素沈着｜経過写真つきで解説

ピコスポットのダウンタイムと色素沈着

ピコスポットのダウンタイムは、施術直後に赤み・腫れ・軽い熱感が現れることがあり、その後1〜7日ほどでマイクロクラスト（細かいかさぶた）が形成されます。これらは自然に剥がれ落ち、7〜14日頃にはシミが一時的に薄くなったように見えることがあります。

しかし、10〜28日頃から一時的に色素沈着（PIH）が目立ってくることがあり、特に肌が敏感な方や摩擦・紫外線の影響を受けやすい部位では、元のシミよりも濃く見えるケースもあります。この色素沈着は、紫外線対策や刺激を避けることで徐々に改善していき、通常は1〜3ヶ月程度で自然に薄くなっていきます。

つまり、ピコスポット照射によって一時的に色素沈着が現れる可能性はありますが、それも含めて「シミが目立たなくなるまでの経過期間」がダウンタイムといえます。患者様の肌質やケア状況にもよりますが、照射から1〜数ヶ月程度がダウンタイムの目安となります。

ピコスポットのダウンタイムとは？

「シミ治療のダウンタイムはどんな感じ？」

「色素沈着しない？」

シミ取り施術を検討しているが不安を抱いているという方も多いと思います。

本記事では、実際の経過写真を交えながら、ピコスポット施術後の経過とダウンタイム、そして炎症後色素沈着の予防方法まで解説します。

本症例では、ピコレーザーの中でも厚生労働省承認の機械ピコウェイを使用しております。

2025.04.09

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色素沈着とは？

色素沈着（しきそちんちゃく）とは、皮膚にメラニン色素が過剰に沈着することで、肌の一部が茶色〜黒っぽく変色した状態を指します。美容医療の分野では、レーザー治療やピーリングなど施術による炎症の後に一時的に現れる色素沈着が問題となることがあります。これを炎症後色素沈着（PIH：Post Inflammatory Hyperpigmentation）と呼びます。

PIHは、肌の表皮や真皮が何らかのダメージや炎症を受けた際に、メラノサイト（色素細胞）が刺激されて過剰にメラニンを生成することで起こります。例えば、虫刺されやニキビ跡、擦り傷の治癒過程で茶色く跡が残るのと同じ仕組みです。レーザー治療においても、この反応が起こることがあり、特にピコスポットなどで高出力のレーザーを局所的に照射した後に発生するケースが見られます。

色素沈着は「失敗」ではない

美容施術後に色素沈着が出ると、「失敗したのでは？」と不安に感じる方もいますが、PIHは肌の自然な防御反応のひとつであり、必ずしも施術ミスや異常ではありません。特にアジア人のように色素が濃くメラノサイトが活発な肌質ではPIHが起こりやすい傾向があります。

どれくらいで治るのか？

PIHは時間の経過とともに自然と改善することが多く、一般的には1〜3ヶ月程度で薄くなっていきます。個人差はありますが、トラネキサム酸やビタミンCの内服、ハイドロキノンやナイアシンアミドを含む美白クリームの外用などを併用することで、改善スピードを高めることも可能です。

色素沈着を予防・悪化させないために

• 紫外線対策を徹底する：SPF50+ PA++++の日焼け止めを毎日塗布
• 摩擦・刺激を避ける：強くこする洗顔やマッサージはNG
• 保湿をしっかり行う：バリア機能を保つことで炎症を抑制
• 医師の指示に従って経過観察：必要に応じて治療を追加

色素沈着は美容施術における一時的な経過の一部であり、正しく理解して適切なケアを行えば、多くの場合で自然に改善が期待できます。ピコスポットなどで施術を受ける前に、色素沈着の可能性とその対処法をあらかじめ知っておくことで、安心して治療に臨むことができるでしょう。

ピコスポットのダウンタイム：実際の経過例

まず、一般的なピコスポットによるシミ取り施術後の経過は以下のようになります。

シミスポット直後、2日、8日、1ヶ月後の経過写真

• 治療直後：赤み・腫れ・軽い熱感あり。

• １〜7日頃：かさぶたができる。

• 7～14日目頃：かさぶたが自然にはがれる。剥がれた部位の皮膚は周囲より色が薄く見える。

• 2~4週間後：かさぶたが剥がれた部分の皮膚の色が周囲の皮膚に馴染んでいく。炎症後色素沈着はこの頃から生じ始める。

以下の写真は、Picowayを用いたシミ治療の経過になります。

かさぶた形成
→かさぶたが剥がれてピンク色の皮膚が露出
→徐々に周囲に馴染んでくる。

という経過を見ることができます。

一部取りきれていない部分については十分な期間を空けて照射することで治療が可能です。

ピコスポットによる炎症後色素沈着：実際の症例写真

炎症後色素沈着（PIH:Post inflammatory hyperpigmentation)とは、火傷や外傷といった皮膚の損傷が治癒した際に、メラニンが過剰に作られシミ化する現象のことを指します。

シミ治療で炎症後色素沈着が生じる流れは以下の通りです。

施術後にできたかさぶたが剥がれる。
→ピンク色の皮膚が見られる。
→その後２~3週間程度の間に急速にシミのような色味がついてくる。

次に、実際の症例写真を提示いたします。

過去の施術でまだらに生じた取り残し部位に対してピコスポット治療を行った方でやや不規則な打ち方になっています。

写真の番号順に以下のような経過です。

Picoway 532nm で施術。④が色素沈着と呼ばれる。

①術前
②施術部位にかさぶたが生じる
③かさぶたが剥がれ、ピンク色の皮膚が見られるようになる。
④その後２週間程度の間に急速にシミのような色味がついてくる。点線内側が術前よりやや色味の強い色素沈着になっていることが確認できます。

ピコスポットに伴う炎症自体は収まっているので、摩擦や紫外線といった刺激の回避に徹することで数ヶ月〜半年程度で治癒します。

炎症後色素沈着の改善後、再度シミの状態を評価し治療方針を検討します。

ピコスポットによる炎症後色素沈着の予防方法

施術部位の炎症が長引くほど炎症後色素沈着の発生確率は高まります。

炎症を抑制するためのステロイドや保護用テープの使用方法は医師の指示に従うとともに、以下に挙げることを普段の生活で徹底することが大切です。

摩擦刺激の回避

炎症後色素沈着（PIH）を防ぐ上で、摩擦などの物理的刺激を避けることは非常に重要です

洗顔の際にはゴシゴシとこするような動きは避けてください。

洗顔料をしっかりと泡立て、指の腹でやさしく肌を包み込むように洗うことが大切です。

また、化粧水や乳液をつけるときにも注意が必要で、無意識に摩擦をかけてしまっている方が多いのが現実です。

化粧水などは優しく押さえるようにつけることを心がけてください。

日焼け止めなどを塗る際にもこすらないように注意を払ってください。

紫外線対策

日焼け止めは毎日必ず使用し、汗をかくなどして落ちてしまう場合はこまめに塗り直してください。

日焼け止めを塗る際、擦って摩擦刺激を与えないことにもご注意ください。

また、日焼け止めだけで完全に日光を防げるわけではないため、「遮光」＝物理的な防御（帽子・日傘・サングラス・マスクなど）も積極的に取り入れてください。

紫外線は日光性色素斑（シミ）の悪化因子でもあるので毎日のスキンケアの一環として習慣化していただくことがおすすめです。

ピコスポットの色素沈着まとめ

ピコスポット後に発生する色素沈着（PIH: Post Inflammatory Hyperpigmentation）は、多くの方が気にするダウンタイムの一つです。シミやそばかすの改善を目的としてピコレーザー治療を受けたにも関わらず、一時的に肌が濃くなる現象は、施術を受けた方にとって心理的負担となることもあります。しかし、これは治療による一時的な反応であり、適切なケアを行えば徐々に改善が期待できます。

なぜ色素沈着が起きるのか？

ピコスポットは高エネルギーでメラニン色素を破壊しますが、その際に肌が軽い炎症を起こすことがあります。この炎症後の回復過程で、メラノサイト（色素細胞）が刺激されてメラニンを過剰に生成し、皮膚が一時的に茶色っぽく見える状態になるのがPIHです。

色素沈着の頻度と発生時期

色素沈着（PIH）の発生頻度には個人差がありますが、特に肌が敏感な方、日焼けをしている方、摩擦が起きやすい部位では、PIHのリスクが高まる傾向があります。

ピコスポット照射後は、最初の数日でシミが濃くなったように見える「マイクロクラスト（瘡蓋）」が生じ、7〜10日ほどで剥がれて一時的にシミが薄くなったように見えることがよくあります。

しかしその後、10〜28日頃をピークとして色素沈着が目立ち始めるケースが多く、これが一時的なPIHです。改善には1〜3ヶ月程度かかることが一般的ですが、体質によってはそれ以上続くこともあります。

正しいスキンケアや紫外線対策を徹底することで、色素沈着の発生や持続を軽減することができます。

PIHが起きたときの対処法

• 保湿とUVケアの徹底：肌のバリア機能を保つためには保湿が重要です。また、紫外線はPIHを悪化させる要因となるため、SPF50+ PA++++レベルの日焼け止めを毎日使用しましょう。
• 刺激を避ける：ピーリングやスクラブなど、肌に刺激を与えるケアは避けましょう。
• 医師の指示に従う：必要に応じて、トラネキサム酸や美白クリームなどの内服・外用を処方される場合があります。

色素沈着を防ぐには？

まず、効果がしっかりと出る機械と出力調整ができる医師の在籍するクリニックで施術を受けましょう。それが最も無駄な色素沈着を防ぐ方法です。次に大切なのは施術後のアフターケアです。特に紫外線対策・擦らないスキンケア・乾燥対策を徹底することで、PIHの発生を最小限に抑えることが可能です。また、日頃から肌の健康を保つことも予防につながります。

いつまで続く？改善までの目安

PIHは通常、3〜6ヶ月以内に自然と薄くなることが多いですが、肌質や生活習慣によってはそれ以上かかることもあります。

レナトゥスクリニックの対応

当院では、ピコスポット後のPIHリスクを最小限に抑えるために、出力の調整・適切な照射範囲・術後フォローの徹底を行っております。万が一PIHが発生した場合でも、状態に応じて薬の処方や経過観察を丁寧に行い、必要であればフォロー施術も提案いたします。PIHが不安な方でも安心して施術を受けられる環境を整えています。

ピコスポットによる色素沈着は、決して失敗ではなく、肌が回復していく過程の一部とも言えます。焦らず、正しいケアと医師のアドバイスに従うことで、美しい肌への道が開けます。

参考文献

・葛西健一郎.シミの治療 このシミをどう治す？ 第2版.　文光堂.2015年
・使用法シリーズ① ピコ秒レーザーの使用法-エキスパートによる良性色素性疾患・皮膚の若返り・刺青除去の最新治療.株式会社メディカルトリビューン.2020年

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レナトゥスクリニックの特徴と向いている方

レナトゥスクリニックは、効果重視のシミ治療に特化しており、特にピコウェイという高スペックのピコレーザーを使用しています。この機械は出力、パルス幅、スポットサイズのスペックが高く、一度の施術で高い効果を実感できます。

また、料金が比較的安く、出力制限もないため、コストパフォーマンスが非常に高いです。さらに、各種無料サービスも充実しており、顧客満足度が高いクリニックと言えるでしょう。

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