肝斑の正しい治療法とは?スキンケアから内服薬・医療施術まで解説

「このシミ、もしかして肝斑…?」

そう感じたことはありませんか?

肝斑は、他のシミとは異なり刺激にとても敏感で、
間違ったケアがかえって悪化の原因になることもあります。

本記事では、以下のポイントをわかりやすく解説します

▪︎ 肝斑の特徴と他のシミとの違い
▪︎ 肌にやさしいスキンケアの基本
▪︎ トラネキサム酸やハイドロキノンなどの内服・外用薬
▪︎ レーザーやIPLなど医療施術の選び方と注意点
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肝斑の特徴とは

肝斑は、両頬や額、口まわりなどに左右対称にあらわれる茶色の色素沈着です。

見た目などについては次のような特徴があります。

肝斑の特徴
  1. 両側の頬、額、口周りなどに左右対称に現れる。
  2. 輪郭がぼんやりと不明瞭な褐色の色素斑である。
  3. 女性ホルモンの関与が考えられている。
    30〜50代女性に多い(妊娠・出産・ピル服用歴が関係することも)
  4. 紫外線・摩擦・熱・刺激などの外的因子で悪化する。
肝斑のイメージ

肝斑のイメージ

肝斑は「機能的な疾患」に分類されます。
メラノサイト(メラニンを作る細胞)が一時的に働きすぎている状態です。

🔍 「機能的な疾患」とは?
見た目や細胞の構造は正常でも、働き方に不具合がある状態です。
掃除機のモーターは正常でも、スイッチの誤作動で止まらないようなものです。

一方、老人性色素斑などは、「器質的な疾患」に分類されます。
紫外線ダメージが長年蓄積し、肌の中にメラニンがしっかりとたまった状態です。

🔍 「器質的な疾患」とは?
細胞そのものに変化や損傷がある状態です。
肌の中に色素が“ある”ため、自然に消えることはほとんどありません。

機能的疾患と気質的疾患という違いは治療法に影響します。

肝斑は刺激を避ける「やさしい治療」が基本です。

老人性色素斑には、色素を直接取り除く「しっかりとした治療」が有効です。

※次の記事で肝斑・日光性色素斑(シミ)・そばかすの見分け方を概説しています。

肝斑治療の基本:保存的治療の徹底

肝斑の治療では、まず「保存的治療」が治療の柱になります。

肌に余計な刺激を与えず、メラニンの生成を抑えることで症状の悪化を防ぎます。

保存的治療なしにはトーニングなど行っても肝斑の改善には至りません。

保存的治療
重要な順に、
  1. スキンケアの見直し(摩擦の回避・紫外線対策)
  2. 内服薬(トラネキサム酸)
  3. 外用薬(ハイドロキノン、トレチノイン)
  4. エレクトロポレーション(トラネキサム酸、ビタミンCなどの導入)

以下で詳細を述べていきます。

摩擦を減らすスキンケアの見直し

肝斑に悩む方の多くが、知らないうちに肌をこすっています。
クレンジングの際にコットンを使ったり、洗顔時に指やタオルで強くこすることがその一例です。

このような摩擦は、メラノサイトを刺激し、肝斑を悪化させる原因になります
そのため、スキンケアの見直しは最優先です。

クレンジングは指だけで優しくなじませて洗い流す方法に変えましょう。
洗顔はしっかり泡立てた泡で包み込むように行い、タオルも押さえるように使います。

💡摩擦は、目に見えないレベルでも肌にとって大きな刺激になります。
毎日の習慣が、治療の成否を左右します。

紫外線対策の徹底(遮光)

肝斑に紫外線は大敵です。

実際、夏には肝斑は悪化する傾向にあると言われています。

紫外線はメラニンの産生を促進し、肝斑の悪化や再発を引き起こします。

そのため、1年を通じて毎日、日焼け止めを使用することが必須です。
日焼け止めを塗る際も、肌をこすらず優しくなじませましょう。

さらに、外出時には帽子や日傘などで物理的に光を防ぐことも有効です。

トラネキサム酸内服

トラネキサム酸は、肝斑治療において広く用いられる内服薬です。

併せて、シナール(ビタミンE製剤)とユベラ(ビタミンE製剤)を内服することをお勧めします。

メラノサイトの活性化に関与する「プラスミン」を抑えることで、メラニンの生成を抑制します。

肝斑の原因とも言えるメラノサイトの活性化に直接アプローチすることができます。

効果を実感するまでの目安は2〜3カ月とされています。

トラネキサム酸には血液を固まりやすくする作用があります。
基礎疾患のある方は使用の可否を医師と相談の上ご使用ください。

外用薬の使用(ハイドロキノン・トレチノイン)

肝斑の治療においては、メラニンの生成や排出に関与する外用薬の使用も選択肢のひとつです。

ハイドロキノンは、メラニン合成に関わる酵素「チロシナーゼ」を阻害し、色素沈着を抑える作用があります。
肝斑に対しても使用されますが、刺激性皮膚炎などの副作用には注意が必要です。

強い炎症が生じた場合、肝斑が悪化する可能性があるため、必ず医師の管理下で使用する必要があります。
濃度や使用期間を適切にコントロールしながら、安全に使用することが求められます。

また、トレチノインは、表皮のターンオーバーを促進し、メラニンの排出をサポートする外用薬です。
ハイドロキノンとの併用で相乗効果が期待できます。

ただし、赤みや皮むけ、乾燥などの副反応が出やすく、肝斑部位への刺激となる可能性もあるため、慎重な使用が必要です。
こちらも自己判断での使用は避け、医師の指導のもとで適切に処方されたものを使用しましょう。

エレクトロポレーションでの有効成分導入

トラネキサム酸やビタミンCなどの成分を肌の奥に届ける方法として、
エレクトロポレーション(電気穿孔法)も選択肢の一つです。

微弱な電流で肌のバリアを一時的に緩め、成分を浸透させる仕組みです。
ダウンタイムもほとんどなく、肝斑の悪化リスクも低いと考えられます。

あくまで補助的な手段ですが、保存的治療の一環として有効です。

肝斑の活動性が落ち着いてきたら:医療施術の併用を検討

肝斑はまず保存的治療を中心に、刺激を極力避けることが重要です。
しかし、肝斑の活動性が落ち着いてきた段階では、医療機器を用いた治療を検討することがあります。

トーニング治療

トーニングは、肝斑に対して広く用いられている治療法です。
QスイッチNd:YAGレーザーやピコ秒Nd:YAGレーザーを、低出力で複数回に分けて照射します。

メラニンを少しずつ減らしていくことを目的としています。

ただし、短期間に照射を重ねすぎたり出力を強くしすぎることで難治性の白斑が生じるリスクがあります。

また、トーニングは蓄積したメラニンを減少させる対症療法としての面が大きいことから漫然と照射し続けことは推奨されません。

レーザーの種類に関係なく、肌の反応や治療経過を慎重に評価しながら進めることが重要です。

IPLやピコスポットとの併用

肝斑と日光性色素斑などが混在している場合はまず保存的治療で肝斑を落ち着けます。

その後、日光成色素斑に対しピコスポットやIPLによる治療の併用が検討されます。

IPLは、幅広い波長の光を照射して色素沈着や赤みにアプローチする治療です。

ただし、強いエネルギーでの積極的治療は肝斑を悪化させるおそれがあるため、慎重に行う必要があります

※ピコレーザーの治療について、以下の記事で解説しています。

まとめ:肝斑治療で大切なのは「やりすぎない」こと

肝斑は見た目の変化が気になりやすい一方で、治療が難しい機能異常です。
特に、強い刺激や過剰な治療が悪化の原因になるという点で、他のシミとは大きく異なります。

そのため、治療においてもっとも大切なのは、「何を加えるか」ではなく、「何を控えるか」です。
スキンケアや生活習慣の見直し、そして紫外線対策の徹底が、治療の出発点であり、最も効果的な介入とも言えます。

トラネキサム酸の内服やハイドロキノン外用、エレクトロポレーションなどの保存的治療で症状を安定させたうえで、必要に応じて他の施術を組み合わせていくのが理想です。

レーザー治療やIPLは適切なタイミング・設定で行えば有効な選択肢になりますが、肝斑増悪のリスクもはらみます。

肝斑治療は、即効性よりも、継続と観察が求められる治療です。
医師と相談しながら、長期的な視点でじっくり取り組むことが、美しい結果への近道となります。

参考文献

・宮田成章編 美容皮膚医療 ホントのところ 克誠堂出版株式会社 2020年
・葛西健一郎.シミの治療 このシミをどう治す? 第2版. 文光堂.2015年
・宮田成章編 Papers No.175  今、肝斑について考える 株式会社全日本病院出版会 2021年

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